| 月刊：考研レビュー既刊分─２０１０年６月 |
| ２０１０年 ６月号 ４週：whatとwhyを上手に使う |
| ３週：イノベーションの阻害要因 |
| ２週：５年後はどんな新領域に：考房だより５６ |
| １週：多様な思考法を正しく機能させる基盤 |
whatとwhyを上手に使う
問題の解明をしたり、物事を実行しようとして行動計画を作ったり
する時、５Ｗ１Ｈを明確に示すことが要求されます。即ち、「誰が、
何を、何時、何処で、何ゆえに、どのように」しているのが問題なのか
或いは「誰が、何を、何時、何処で、何ゆえに、どのように」実行する
のかを明示せよ、という訳です。
最近では、「どのくらいの費用で」というものも加えられ、５Ｗ２Ｈと
言われることもあります。
この５Ｗ１Ｈ或いは５Ｗ２Ｈのそれぞれの項目が、同レベルの重みを
持っているかと言うと、必ずしもそうではないようです。問題の解明や
物事の実行の在り方の根本を規定してしまうものと、そうでないもの
とがあるようなのです。
そういった意味で最も重要だと受け止められるものが二つあります。
それは、「何を」と「何ゆえに」です。即ち、whatとwhyです。
即ち、問題の解明の場合は、
・何が起っているのか（what）、なぜそれが起っているのか（why）
物事の実行の場合は、
・何をするのか（what）、なぜそれをするのか（why）
という問いに対する答を具体的に示すことが最も重要なのです。
このwhatとwhyを明確にすることが、問題の解明や物事の実行の
在り方を決めてしまうことになります。誰がやるとか、何時やるとか、
何処でやるとか、どのような方法でやるとかいうことは、whatとwhy
次第で決まってくる場合がほとんどだと言ってもよいでしょう。
この重要なwhatとwhyの二つの間でも、時と場合によって優先する
順位が違ってきたりします。仕事の現場で実際に起っていることから、
二つの事例を紹介しながら、whatとwhyの使い方を考えてみます。
仕事の現場では常に問題が発生しています。仕事イコール問題解決と
言ってもよいくらいです。問題解決力という能力が重要視される理由は
こんなところにあります。
問題解決力とはどういう能力要素から成っているのか、といったことも
広く論じられています。一般的には、思考力、実行力、直観力、好奇心
といったものが上げられています。
前の二つは当然のこととして多くの人が納得しています。ただ、思考力
にも論理的思考力、仮説思考力など、色々な要素があります。実行力
にも計画力、組織力など、多くの要素があります。
直観力は、創造的な案を生み出したり、仮説を立てたりする際に必要な
能力です。好奇心は、その他の能力を発揮するための基盤になるもので
これが無ければ他の能力をうまく引き出すことができないでしょう。
ここでは好奇心を取り上げてみます。好奇心には２種類あって、その
一つは、何でも知りたがるという知識に対する好奇心です。もう一つは
それがどのようにして起っているのか、どんな風になっているのかを
知りたがる原因や理由に対する好奇心です。
前者はwhatに対する好奇心、後者はwhyに対する好奇心と言えます。
問題を解決しようとする際に力を発揮するのは、whyに対する好奇心だ
ということは誰の目にも明らかでしょう。
whatに対する好奇心は情報や知識を吸収することに貪欲ですが、情報
や知識を吸収してしまうと満足してしまい、それ以上に物事を深く考え
ない傾向が見られます。この類の好奇心は、いわゆる「雑学博士」の
域を抜けきれない人たちに旺盛なようです。
問題解決力を高めようとする際に上位に置くべき好奇心は、whyに
対する好奇心です。whatに対する好奇心はwhyを追究する過程で必要
になれば、自然に生まれてくるものと考えることができます。
問題解決行動を別の角度から考えてみます。改善改革活動を進める
際によく起ることは、対症療法的なことを繰り返すばかりで根本的な
改善改革が為されない、といったことです。
活動を立ち上げる理由は、業務のプロセスに問題があることが察知され
ており、この問題を解決して業務のプロセスをより良いものに改めよう
という意図にあります。
活動の中では、問題を明確にしてこれを解決することが必要なことは
誰もが理解しています。しかし、上記のようなことが起るのです。
その理由は次のようなことにあります。
仕事の現場では常に問題が発生していることは前にも述べました。
問題は仕事に支障を与えます。この支障を取り除いて仕事を流すことは
現場にとって重要なことです。
この支障を取り除くことに意識が固定化してしまいますと、問題を表面
だけで捉え、そのレベルで追究できる原因を取り除くことに終始して
しまうのです。
原因を追究していますから、whyを明確にして解決に取り組んでいると
言うことができます。しかし、原因を追究する前段階のwhatの追究が
不足していると言わざるを得ません。
問題をもっと掘り下げて、何が起っているかを根本的に把握しにいく
必要があるのです。whatの追究をそこまでやる必要があるのです。
対症療法的なことしか生まれてこないのは、whatの追究を中途半端に
したままでwhyを追究するからなのです。
こうしたケースでは、whatの追究を優先して徹底的に行い、
その後にwhyを追究することが必要なのです。
問題解決というテーマで、二つの切り口から見た事例でwhatとwhy
の使い方を考えてみました。他にも多種多様な場面があると思います。
whatとwhyを上手に使うことは、実りある成果を得る上で大きな力に
なってくれるでしょう。
イノベーションの阻害要因
世界同時不況に陥って以来、叫ばれ続けていることがあります。変革
やイノベーションが必要だということです。言葉を代えて言えば、これ
まで通りではいけない、変らなければいけない、ということです。
ドラッカーの言葉に、企業の使命はマーケティングとイノベーションで
ある、というものがあります。企業が社会的存在として存続していく
ためには、社会環境の変化に相応して事業の変革を繰り返し、顧客を
創造し続けるべきことを説いたものです。
この言葉に見えていることは、イノベーションとは危機的な経営環境の
下で必要になるものではなく、企業の使命として常に意識して取り組ま
なければならないものだ、ということです。
イノベーションの対象としては、製品や商品、事業推進のプロセス、
業務の仕組み、事業そのもの、といったことが上げられます。言葉上の
表現ではいとも簡単に、変革とかイノベーションとか言われますが、
実際に取り組むとなりますと大きな困難に遭遇し、結局は失敗に帰する
ことも多いものです。
変革やイノベーションには或種の阻害要因が付きまとっていることが、
その理由です。これを何らかの方法で克服しない限り、変革やイノベー
ションは実現することはないでしょう。
組織における阻害要因の代表的なものとして、次のようなものが
上げられています。
１）時流に合わせて自社の事業領域を見直そうとせず、既得権を守ろう
とする意識から離れられない
２）新しい取り組みについて、売上高などの既存の管理指標に基づいて
評価するという、短期的視点に囚われてしまう
３）社長や経営幹部が現場に対して細かい報告を要求し、あれこれと
細かい指示をしたがるため、現場が萎縮して力を発揮することが
できない
４）当事者ではない権限の強い人が“善意のアドバイザー”として振る
舞い、細かなことにまで口を出すため、取り組みの方向性が定まら
なくなる
５）取り組みが失敗したら個人が責任を負わされ、失敗経験を組織と
して活かすことができない
６）新たに必要になった人材・能力を、社内外から柔軟に調達しようと
しない
第１項は、イノベーションそのものに背を向けている訳ですから、
説明の必要もないでしょう。
イノベーションの成果が既存の管理指標に現れるまでには、相当な
時間・期間を要します。それゆえに評価には長期的視点が必要になる訳
です。そうは言っても、短期的に評価することも必要です。
短期的評価のためには、数値の管理指標よりも、実行すべき行動項目が
きちんとクリアーされているかどうかをモニターすることが有効です。
これを実行しようとすれば、緻密な計画作りとそこにマイルストーンを
設定することが必要になります。（第２項）
変化の激しい今の時代では、現場から距離を置いているトップや経営
幹部の感覚的な指摘が的外れになることは少なくありません。こうした
場合、現場が上位職の発言を論理的に否定することはきわめて困難だと
言えるでしょう。（第３項）
こうしたことの他にも、権限の強い部門、或いは上長が協力しようと
いう立場から意見を出すことがあります。このような人たちのことを
“善意のアドバイザー”と呼びます。
イノベーションとは、まだ具体的な形や姿が現れていないものを生み
出そうとしている真最中にある訳ですから、誰でも口を挟みやすい状態
にあると言えます。このような状況の下では、当事者外ではあっても
影響力の強い者の発言は、取り組みの方向性を乱す恐れが強いのです。
（第４項）
第５項、第６項は説明するまでもないことでしょう。
大きいか小さいかに拘わらず、イノベーションを避けて通ることが
できないのがこれからの時代です。イノベーションの阻害要因の代表的
なもの６項目を上記に上げておきましたが、これを強く意識し、克服
して前進することが大切であろうと思います。
５年後はどんな新領域に：考房だより５６
５月度のテーマ「新領域に踏み出すには」の内容を踏まえての談論
でしたが、将来の未知のこと、ましてや自分のこととなると、さすがに
発想がたいへんで、活動環境や一般論に傾きがちになりました。
参加者が少数だったことも影響していたかもしれません。
・生産に直結しない、付加価値を生まない仕事ばかりが増えているが、
５年後もその傾向は続くのだろうか。ＩＦＲＳ（国際財務報告基準）
の導入やコンプライアンス関連が賑やかだが、こんなことばかりに
かまけていて、立国の軸に据えようとしているイノベーションや
科学技術を担う分野に優れた人材をまわすことができるだろうか。
・哲学と社会学を専門とする先生が興味深いことを語っていた。
社会には、クリエイションを本分とする人間とメンテナンスを本分と
する人間との２種類の人間が存在するとのことだ。
クリエイションを本分とする人間の代表例は企業や大学や公的機関の
技術者や研究者であり、メンテナンスを本分とする人間の代表例は
医師、弁護士、会計士といった人たちだということだ。
・特殊な例外はあるが、一般的にメンテナンスからイノベーションや
科学技術を生むことは困難なのではないか。イノベーション立国や
技術立国の旗を掲げるのであれば、クリエイションを本分とする
人間を育成する必要があのではないか。
しかし、現代社会の状況は、メンテナンスを本分とする人間のほうが
実入りがよいため、人材はそちらへ流れやすいようだ。これまで提唱
されてきた国家戦略を推進しようとするならば、クリエイションを
本分とする人たちの地位や処遇が高くなるような社会にならなければ
ならないだろう。
・高度医療の分野はクリエイションに大きく関わっている。これは
メンテナンスから生まれたきわめて特殊な例だが、イノベーションや
科学技術を引っ張っていけるものを持っている。
しかし国家戦略としては、メンテナンス立国は有り得ないだろう。
メンテナンスの領域からクリエイションの種を探し出すことが重要
だろう。
・高度医療の分野でも“モノづくり”が担う範囲はきわめて大きい。
最終的には、ヒトは“モノづくり”に戻っていく。そしてそこから、
新しいメンテナンスが生まれる。
逆も言えるかもしれない。新しいメンテナンスの発想から新しいクリ
エイションや“モノづくり”が生まれる。
・随分以前のことだが、複数の著名な経済評論家が、生産力のバック
グラウンドを持たない国際金融センターは有り得ないと論じていた。
ロンドンもニューヨークも東京も、そしてオイルマネーを背景にした
中東の金融センター都市もその通りなのだと。
一時、この論が否定されたかの様相を呈していたが、２００８年の
金融崩壊によって起こった世界各国の状況から、この論の正当性が
認められようとしている。
・５年後を考えると一人一人の日本人としても、世界を考えて行動する
ことは避けられないだろう。経済感覚も、生活を維持する感覚も、
これ無しには有り得ないだろう。
国でさえ、今まで通りに存在していることを信じようとすれば、
日本人一人一人にこうした行動が必要な状況になっているだろう。
但し、一人一人が直接国際的に行動せよという訳ではない。
国際的な役割を担って行動している人たちを支えるのでもよいのだ。
その際にはやはり、世界を考えるという感覚が要る。
・自分が所属する組織の行動は、基本的には国内指向、地域指向だが、
上記のような世界を考えて行動する感覚を取り入れるならば、国内
指向、地域指向でも充分に変り得る。これは新領域に踏み出す一つの
切っ掛けになるかもしれない。
・これからは、プロの個人事業者が増えると考えている。派遣社員では
なく、その道の腕と知識を身に付けたプロだ。こうした人たちが
産業界で適切な位置を占め、継続的に産業界に貢献できるようにする
ための新領域が生まれることも考えられる。
・自分自身のことでも色々と新領域のイメージはある。これまでも
新領域に踏み出して今の自分がある。未だ具体的に表現できないが、
３年以内にイメージを具体化して、ゼロからスタートする新領域に
踏み出したいと思っている。
・複数の人たちに本を出版してはどうかと勧められている。資金も要る
ことなので、その見通しがついたら踏み込んでみたいと思っているが
５年後の自分に期待しよう。
・会議室を借りずに、本考房を運営できるようにしたいと思っている。
常設の場所を確保するのだ。そうすれば、月例の考房だけではなく、
テーマが湧いてきて突然自由に開く考房も可能になる。考房自身が
新領域に踏み出す可能性も出てくる。
以上のような内容でした。前向きに積極的に考えれば、自分が踏み
出せる新領域は必ず見つかるでしょう。常にそういったものを求める
風土が我々の社会に根付けば、イノベーション立国も文字面のことだけ
ではなく、現実味を帯びてくるでしょう。
多様な思考法を正しく機能させる基盤
今の世の中には、思考法に関する呼び名がやたらに目に着きます。
多種多様な思考法が提唱されている状態は、中国古代の春秋戦国時代の
百家争鳴をほうふつとさせます。
特に、経営やビジネスに関わる領域で、大学教授、経営コンサルタント
といった人たちが提唱しているものが多いように感じます。このような
多種多様な思考法は、適切な場面に適用されますと有効な策を導き出す
ことができるようです。実際にそのようなケースは多いようです。
しかし、これほど多くの思考法を目の前に並べられますと、解決すべき
問題を前にして迷ってしまうことも多いのだろうと想像できます。
そんな視点から、これらの思考法を整理しておく必要がありそうです。
古典的なもので多くの人に知られているのが、帰納法と演繹法です。
帰納法とは、個々の特殊な事柄から一般的な原理や法則を導き出すため
の思考法です。実験データや調査データなどから、物事の在り方を探究
する際に有効だと言えるでしょう。
演繹法とは、一般的な原理から、論理の手続きを踏んで個々の事実や
命題を推論するための思考法です。打ち出された政策や戦略がどのよう
な効果を生み出し、どのような結果をもたらすかを予想するようなこと
に有効だと言えるでしょう。
現代の識者から提唱され、よく知られているものとして、次のような
思考法が上がってきます。これを取り上げてみます。
・論理思考と超論理思考、イメージ思考
・発散思考と収束思考
・フレームワーク思考
・仮説思考
論理思考とは、ロジカル・シンキングという言葉のほうが知られて
いるかもしれません。得られた情報や事象を分析的に整理し、論理的な
考察を通して起っていることを把握しようとする思考法です。ツリーや
マトリックスなどの手法を駆使して情報や事象を構造化し、その構造
から実態を把握しにいくことがよく行われます。
超論理思考とは、論理思考では捉え切れないものを引き出そうとする
ものです。人の心の非合理性を考慮に入れ、情動から事象を解釈する
とか、人や組織を動かす策を追究するといったことが、問題解決に
つながると考えられる際に有効に使われます。
イメージ思考とは、いま手元にある情報に基づいて先ずイメージを
描くことから始めるという思考のプロセスです。浮かんできた色々な
イメージのそれぞれが表そうとしている意味を考え、その意味をつなぎ
合わせてまた新しいイメージを生み出す、といったプロセスです。
事実から出発する論理思考からは、常識を超える独創的なアイデアは
生まれにくいものです。そんな訳で、何かの突破口を開こうとする時、
創造的なアイデアを引き出そうとする時などには、イメージ思考が有効
だろうと言われています。
発散思考とは、何の制約も設けずに自由に発想し、自由に発言する
ことが求められる場で有効に使われます。ブレーン・ストーミングは、
発散思考を前提としていると言えます。こういった場では、常識や既存
概念に囚われない創造的な考えが出やすいのです。
しかし、発散思考によるブレーン・ストーミングで出されたアイデアや
意見は、そのままでは現実的・具体的な行動に移すことが困難な場合が
多いと言えます。そこで必要となるのが収束思考です。
収束思考とは、ばらばらな事象をあるルールや決め事に則って整理し
まとめる際に使われるものです。ブレーン・ストーミングを使ったミー
ティングの最終段階では、収束思考が有効に使われている、と言っても
よいでしょう。
フレームワーク思考とは、ある事柄に答を出すために、入手すべき
情報やデータの種類がある程度決められ、これに沿って集められた情報
やデータを決められたひな形に合わせて処理すれば、求める答が出る
ように設計された思考のプロセスです。
例えば、戦略策定のような作業には多くの種類のフレームワークが用意
されているようです。フレームワーク思考は、複雑で高度な思考が要求
される作業を効率良く進めるために大いに有効です。
しかし、フレームワークの制約の中で行う作業からは無難な答は出て
きますが、独創性や特異性を持つ答が出てくることはきわめて少ないと
言えるでしょう。
仮説思考とは、いま手元にある情報に基づいて仮説を立て、これを
当面の答とすることから始めるという思考のプロセスです。立てた仮説
は検証する必要がありますから、検証のための情報収集や実験や調査が
これに続きます。
検証の結果、仮説が実態に合っていないと判断できれば、仮説を修正
するか新しい仮説を立てます。修正仮説や新しい仮説もまた検証の対象
となります。こうしたことを繰り返して実態を掴みにいく思考法が仮説
思考です。現実的な場面できわめて効果の高いものです。
以上、代表的と思われる思考法について整理してきましたが、どの
思考法を使うに当っても、共通している重要なことがあります。それは
次の２項目です。
・現象と正面から向き合い、現象の集合が表現する意味を掴むことに
努めること
・論理の筋を通しながら進めていくこと
情報やデータ、或いは目の前で起っている現象に相対することを避けて
通ることはできません。その際には、個々の情報や現象を単独で解釈し
たり、先入観やありきたりの常識や通説で割り切って解釈するような
ことに陥ることなく、情報や現象の集合が表現しているものについて
深く広く考え、その意味を掴みにいく必要があるのです。
また、どの思考法を使う場合でも、展開の予想をしたり、推論をしたり
することが必要な場面に遭遇することは必至です。そうした際には必ず
論理の筋を通して進める必要があります。
この２項目を外してしまいますと、場面に適切な思考法が採用されたと
しても、過った答を引き出してしまう可能性が高くなります。
上記の２項目は、あらゆる思考法を正しく機能させる基盤となって
いると受け止めることができます。
このページで解説されている内容の実践について、無料相談を承っております。
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現象考学研究所
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