| 月刊：考研レビュー |
| ２０１４年 ９月号 ４週：まねのできない競争優位 |
| ３週：肯定からスタートする思考法 |
| ２週：幸せ感から成功へ：考房だより１０７ |
| １週：共感獲得力を考える |
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まねのできない競争優位
競争優位を考える時、真っ先に思い浮かべるのは製品やサービスの
差別化です。しかし、技術の普及・移転による技術レベルの平準化が
進んで来た今日、差別化を長期間維持することは困難になりました。
どんなに独創的で技術レベルが高い製品やサービスでも、競合他社の
追撃の対象となって差別化要素は無くなり、コモディティ化の渦に巻き
込まれてしまうのです。
こうした最近の状況は、差別化による競争優位の確保が如何に困難か、
まねのできない競争優位を確立し維持し続けることが如何に困難かを
示しています。
そこで、まねのできない競争優位の基盤は何にあるのかを、実在する
事例を基にして考えてみました。それは、製品やサービスに内在する
技術、ノウハウ、独創性、といったものではなさそうです。
ホテルチェーンのリッツ・カールトン、オンライン靴店のザッポス、
ＩＴ企業のグーグル、等々の事例から見えてくるものがありました。
先ず第一段階として浮かび上がってくるものは、独創的で技術レベル
も高く差別化を実現できるような製品やサービスそのものではなく、
そんな製品やサービスを生み出せる創造力や技術力です。
こうした能力を持っていれば、状況や環境の変化に応じて上記のような
製品やサービスを生み出し続けることができます。その結果、長期に
わたって差別化を維持して競争優位を持ち続けることができます。
こうした創造力や技術力によって生み出される競争優位には、２つの
種類があります。一つ目は、この競争優位を認めた他者が追い付いて
きて、間もなく競争優位が消滅するものです。
この類の競争優位を持ち続けるためには、創造力と技術力を駆使して
次から次へと新しいものを生み出すことが必要です。こうしたことが
途絶えないように、創造力を活性化し続け、新たな技術を開発し続ける
ことが求められます。
二つ目は、他者が追い付こうとしてもなかなか追い付けない、まねを
しようとしても容易にはまねできない競争優位です。この類の競争優位
を一旦手にしますと、それはかなりの長期間にわたって持続します。
誰もが欲しがるのはこの類の競争優位でしょう。そこで、二つ目の競争
優位について考えを巡らし、調べてみました。
リッツ・カールトンにはクレドと呼ばれるものがあり、同ホテルの
価値観や行動規範が明示されています。クレドとはラテン語で、志、
信条、約束、といった意味を持っています。
そこには、お客様のもてなしに関する３項目の基本事項、英文表記の
モットー、従業員への約束、THE RITZ-CARLTON クレド、１２項目の
THE RITZ-CARLTON サービス・バリューズ が表記されています。
同ホテルの従業員はこれを常に携帯し、これに則って仕事を進めている
そうです。そして今や、ホスピタリティ世界一と言われています。
このクレドは公開されており、多くの人たちに知られています。しかも
その内容もまた多くの人たちに理解されています。ところが同ホテルと
同じレベルのホスビタリティは、同業他社がまねて実現するまでには
至っていないのです。
事例をもう一つ上げます。オンライン靴店のザッポスです。倒産の
危機に瀕したこともありましたが、創業後１０年間で年商１０億ドルの
企業に成長しました。
同社の成長の立役者であるトニー・シェイが、それまでの経験から見い
出していたことは、「幸せを感じたどの時もお金を伴っていなかった。
クリエイティブで独創的でいると幸せだった」ということでした。
しかもジム・コリンズのベストセラー『ビジョナリー・カンパニー２－
飛躍の法則』には、「偉大な企業は、ただ単に金儲けや市場で一番に
なることを超えて、もっと大いなる目的とかビジョンを持っている」
とあることも、彼は認識していました。
こうしたことから、彼は金銭ではなく、情熱を追い求めることにし、
最高のビジョンに思いを巡らしたのです。その結果の一つが、最高の
カスタマー・サービスを意味するザッポスというブランドでした。
このブランドの価値を高めるために、同社は顧客体験の向上、企業文化
の強化に集中して、社員の成長に投資してきました。その結果として、
上記の業績が達成されたのでした。
同社が、自分たちが長期的に持つ競争優位であると信じているものは、
「カスタマー・サービス」「企業文化」「社員の教育と能力開発」の
３つです。これ以外のことは模倣が可能であり、そのうちまねされて
しまうと信じているのです。
そして実際に、この３つに経営資源を投入することが、同社の成長の
原動力となったのでした。
ザッポスもまたリッツ・カールトンと同じ様に、自社の「１０のコア・
バリュー」を公表しています。これも誰もが知ることができます。
しかし、これをまねて実現することはきわめて困難なようです。
以上の２社に共通していることは、「企業文化」こそがまねのでき
ない競争優位を創り出しているということです。最高のホスピタリティ
も、最高のカスタマー・サービスも、社員の教育と能力開発なしには
実現できないでしょう。
社員の教育と能力開発の成果が仕事の現場で機能するには、適切な企業
文化の存在が不可欠です。だから、クレドやコア・バリューを模倣する
だけでは、競争優位までをまねすることはできないのです。
こうした企業文化づくりは、従業員の採用プロセスから始まると言われ
ています。学歴や学業成績、職歴といったものに囚われることなく、
自社が求めている企業文化を作り上げ、維持するのに相応しい人材特性
をしっかりと認識してかかることの重要性がここにあります。
肯定からスタートする思考法
ある難題に直面した時、先ず思うことは何でしょうか。恐らく次の
三つのうちの何れかでしょう。
１．できるだろうか、できないだろうか
２．できそうもないな
３．できそうだ
では、その難題を解決してしまうのはどう思った人でしょうか。２．の
ように思った人は除外してもよいでしょう。１．のように思った人は
客観的に物事を見ようとする人ですから、課題の核心にあるものを的確
に捉えることができれば、解決に至る可能性は高いと言えます。
３．のように思った人は、自分が取り組もうという姿勢を持ち、解決
できるというイメージがありますから、解決できた状態に至るために
成すべきことを当初から考え、行動することになります。恐らく解決の
可能性が最も高いのは、こう思うタイプの人でしょう。
肯定からスタートする思考法とは、この３．のように思うタイプの
人が取る思考のプロセスのことです。このような人は、できるという
前提から自分のやるべきことを考えます。
情報収集でも、できるという前提を持って、成し遂げるための具体的な
行動を生み出せる情報を集めることになります。１．のように思う
タイプの人は、できるかできないかを判断しようとして情報を集める訳
ですから、できないと思わせる情報も結構多くなります。
１．のタイプは、できないと思わせる情報に引きずられ、成し遂げる
行動に思いが至らないことも少なくありません。その結果、できないと
判断して諦めることになりがちです。
３．のタイプは、成し遂げるための情報を集めますから、できないと
判断するのは、その情報が満足に得られなかった時だけです。ある程度
の満足できる情報が集れば、このタイプの人は行動を起こします。成し
遂げる可能性はこうして高まるのです。
肯定からスタートする思考法は、不可能だと思えるようなことでも、
あえて「必ずできる」と思い込むことから始まります。こうすることに
よって、「無理だ」「できない」と思っていた時には視野に入ってこな
かった可能性が、突然見えてくることがあります。
「無理だ」と思い込んでいる状態の下では、新しい可能性に気付くこと
はあり得ませんから、まずは何が何でも可能だと捉え、そこから実現
する方法を探っていくことが道を拓くことになるのです。
難題とはそもそも、これまでの常識や定石、即ちこれまでに行って
きた常道のパターンでは解決できないものです。解決には必ず、新しい
発想を必要とします。
そんな課題に取り組む時に必要なことは、「何でもありだ」と考える
ことです。問題の解決のために必要なことなら、どんな突飛なことでも
常道に反することでも、「これもありかもしれない」と考えるのです。
こうしたことを考える姿勢は、「必ずできる」と思い込むことから
生まれます。このように肯定からスタートして考えることが、新しい
発想を生み出すことにつながっていくことになります。
肯定からスタートする思考法を使って成果をあげる上で、効果的な
着眼点をいくつか紹介しておきます。
情報を多面的に、多くの方向から見ることにより、通常の自分に
見えている姿とは違う在り方に気付くことがあります。物体は、自分が
立っている側しか見ることができませんが、向う側に回ってみますと
裏側の姿をみることができます。この両方を合わせて物体の状態を
正しく理解することができます。情報も同じことなのです。
周囲とは異なる発言をする、たった一人の意見を見逃さないことも
効果的です。わざわざそういった発言をする理由があったからこそそう
なった訳ですから、この意見を切り捨てずに、背景や核心にあるものを
探ることが、今まで見えていなかった動向を知る上で役に立つことが
多いようです。
境界条件を外してみたり、開放したりすることにより、無意識に設定
していた境界条件の枠内だけで考えることから脱することができます。
困難な課題や目標に挑んで肯定からスタートする思考をするのですから、
これはきわめて重要な姿勢だと言えるでしょう。
異分野のフレームワークを使って考えることも効果的です。例えば
プロ野球のチームがリーグ優勝を目指す行動パターンを流用して、新規
事業の目標達成のマネジメントを考える、というようことです。
結びに、有名な寓話を上げておきます。
靴のセールスマンが２人、未開の島の市場調査に派遣されました。
１人は島の西部を回り、もう１人は東部を回りました。
２人は引き上げる前に、調査報告の電報を打ちました。西部を回った
セールスマンは「だめだ、靴を履いている者など１人もいない」と報告
してきました。
東部を回ったセールスマンの報告は「ラッキー、未だ誰も靴を持って
いない」でした。その後の市場開拓で高い業績を上げたのは、当然
後者のセールスマンであった、というものです。
寓話にすぎませんが、肯定からスタートする思考がどのような成果
をもたらすかを、解り易く説いていると受け止めることができます。
幸せ感から成功へ：考房だより１０７
最近の調査や研究によりますと、幸せ感を持つことと成功や目標達成
との関係を、従来とは逆に捉える見方が優勢になっているようです。
即ち、成功するから幸せ感を持てるのではなく、幸せ感を持っている
人たちが成功する、というのです。
今回は、従来の捉え方か、最近優勢になってきた捉え方かにこだわらず、
自分の今、および過去の体験を振り返りながら、幸せ感と成功との関係
について自由に意見交換を行いました。
・これまでの伝統的な考え方は、成功すれば幸せ感が生まれる、目標を
達成すれば幸せな気持ちになれる、というものだった。だから、改善
活動などをやりきって、業務の生産性も自分自身の生産性も高めれば、
所要時間が短縮され、自分の意図することをやる時間が取れるから、
目標を達成できることが多くなる、と説いてきた。
・幸せ感というのは瞬間的なものでは行動への影響は小さい。幸せ感の
持続こそが大切だ。ほとんどの働く人々にとって、睡眠時間を除けば、
最大の比率を占めるのは、職場にいる時間だ。だから、職場で幸せ感
を持てるようにすることが大切なのだ。
そのために、仕事で目標達成を繰り返すことが職場での幸せ感を生む
と説かれてきたし、自分もそう受け止めてきた。
・そういう考え方が逆転して、幸せ感を持っている人が成功する、幸せ
感を持って仕事に取り組んでいる人が目標を達成する、という考え方
の方が現実に合っているとの研究報告・調査報告が出てきたのだ。
ポジティブ心理学と呼ばれる分野がその代表だろう。
・取り組んでいることに対してやりがいを感じることが幸せ感を生むの
だろう。やりがいを感じて取り組めば成功の可能性が高まるだろうと
いうことは、ごく自然に納得できる。
・目標を達成した時の達成感も幸せ感につながっていることは明らかだ。
だから、目標達成を繰り返すことが幸せ感を生むという伝統的な考え
方も納得できる。
・幸せ感を持つことが成功を呼び、成功の達成感が幸せ感をもたらす、
という循環的な在り方が現実なのではないか。伝統的な考え方とか、
新しく見出された考え方とか、一方にこだわらずに追求するほうが
現実に合っていると思う。
・自分の職場や指導の経験から確信していることは次のようなことだ。
上司が部下に、責任感・達成感・承認感を感じてもらえるように仕事
を指示し、実行させる。
すると、部下は仕事への取り組みを通して自己の成長感を持てるよう
になる。そこに幸せ感が生まれる。そしてさらに難しい仕事を任され、
これを成し遂げる。こうして幸せ感と成功との間に循環が生まれる、
と言えるように思う。
・ＹＫＫという会社では“善の循環”という言葉を使っている。何か
似たようなものを感じる。
・ポジティブ心理学では「先ずは幸せ感を作ることを考えよ」と説いて
いる。それを考えると、職場環境や待遇も大切だが動機付けの在り方
のほうが重要に思える。
・動機付けと言えば興味深い話がある。
＊バラ色の夢を持つのとイヤなことを避けるのとでは、どちらが動機
付け力が強いか？
＊幸せを獲得にいく状態と幸せを失うまいとする状況とでは、どちら
が動機付け力が強いか？
というものだ。
絶対的な正解は無いが、イヤなことを避ける、幸せを失うまいとする
ほうが強く動機付けられるという事実が結構多い。その理由は次の
ようなことだ。
バラ色の夢は実現しなくても失うものは無い、幸せを獲得できなくて
も今までと変わることはない。一方、イヤなことが起こってしまうと
大切なものを失う、いま持っている幸せを失うのはつらい、といった
ことに対しては、何としても避けたいという心理が働く。
・「先ずは幸せ感を作ることを考えよ」というポジティブ心理学の主張
はこうした側面から理解することもできる。人間は一度手に入れた
幸せ感を失うことは耐え難いのだ。
・先ずは幸せ感を持ってもらうことを基盤に据えたマネジメントが重要
なのだろう。どのようなことをしてそれをやるかが大きな課題だが。
・あまり科学的とは言えないが、「気」というものを意識することも
力になりそうだ。幸せ感は、その場に流れている「気」に大いに関係
しているように感じる。よい気を生むことを追求するのだ。
・植物に良い言葉を掛け続けると、良い花が咲き、果実の実りが豊かに
なる、ということが現実にあると聞く。また、絵のモデルにしている
柿の実が一般的な寿命を超えてみずみずしさを失わず、絵が完成する
と同時に朽ち始めた、という話もある。
言葉に乗って、気持ちが「気」になって伝わるとか、画家の想いが
「気」になって伝わるといったことが言えるのではないか。言葉が
伝わらない相手でもこうなるのだから、言葉が伝わる相手にはもっと
色々な方法で「気」を伝えることができるのではないか。
・色々と振り返ってみると、発展途上、成長途上の環境の下で仕事を
することが、やりがいを生み、幸せ感につながっていたように思う。
・マズローの欲求５段階説も良い手段になりそうだ。最上の第５段階、
即ち自己実現にまでイメージがつながればさらによい。但し、自己
実現とは言いながら、利己ではいけない。利他の心が通う自己実現を
目指すことがやりがいを生むことになるだろう。
・ＮＰＯの役員や社会事業家の考え方や行動に、マズローの第５段階の
そういう受け止め方を感じ取ることができる。彼らは経済的利得には
恵まれていないが、やりがいを感じて自己実現を目指している。
・ポジティブ心理学に基づいた成功哲学についての１つの書籍を紹介
したい。
幸福優位７つの法則（ショーン・エイカー著、徳間書店）
以上のような内容でした。お役に立ちそうな事例や見解が見当たり
ましたでしょうか。そういったものをうまく活用していただけましたら
幸いに存じます。
共感獲得力を考える
以前に、「共感が説得の成功要因」というテーマで書いたことがあり
ます。その時には、説得という目的に照らして、共感について考えて
みました。
この度は、共感を獲得することを一つの能力と捉え、共感獲得力という
切り口から考えてみようと思います。共感という言葉で表現されている
ものは広範囲にわたり、かつ深みもあるものですから、能力として考え
ますと捕らえ所が見えにくいものです。
そこで、あまり堅く考えずに、共感を獲得するのが上手な人たちの思考
や行動の中から、多くの人の腹に落ちるものを引き出してみることに
しました。
共感を獲得しようとする場面を先ず考えてみます。プレゼンの場、
販売の現場、商談、説得の面談、業務分担や作業完了期限の調整、就職
面接、など色々と浮かんできます。
こうした場面で例外なく使われるのは言葉です。共感を得ることに成功
する場合でも失敗する場合でも、言葉が主要な手段として使われます。
共感を得る上で効果的な言葉の使い方、これが共感獲得力の主な要素
だと言えそうです。
相手に伝えようとする内容は同じでも、それを伝える言葉は千差万別
です。類型として上げてみますと、次のようなものがあります。
１）内容を精確な形で伝えるもの
２）内容を流れのあるストーリーとして伝えるもの
３）論理の展開で伝えるもの
４）事実を折り込み、これをベースとして伝えるもの
１）の形は、伝える内容を精確に伝えることができます。しかし、
無味乾燥な言葉の羅列という感じを相手に与えかねません。
２）の形は、伝える内容を、一つの脈絡のある物語に仕立て上げて
伝えるもので、物語の面白さ、楽しさが相手の感性に訴えかけるという
効果があります。
３）の形は、ある事実や前提から論理的に言葉を展開していき、到達
した結論と過程とを伝えるものです。論理の上では理解されますが、
現実にそうなると信じてもらえるまでには至らないかもしれません。
４）の形は、相手も知っている事実でもって内容を説明するものです。
事実が根拠となっていることは、相手の確信や納得につながりやすいと
言えるでしょう。
ここに上げました４つの伝える形は、どれが良くて、どれが悪いと
いうものではありません。これらの間の違いは何かと言いますと、１）
や３）は理性に訴えかける度合が高く、２）や４）は感性に訴えかける
度合が高いということです。そして、共感を得ようとすればこの両方が
必要であることは明らかです。
一般的には、プレゼンや商談などの場面では、理性に訴えるのが７～
８割、感性に訴えるのが３～２割と受け止められているようです。
しかし、共感を得るという視点から考えますと、感性が７～８割、
理性が３～２割と逆転させるほうがよいようです。
言葉以外でも重要なものがあります。それは、共感を得ようとして
いる事柄に対する自分の姿勢、および自分の話を聴いている相手の受け
止め方に対する配慮です。
対象とする事柄に賛成の立場を取る自分を離れて、反対する人たちは
どのように感じ、どのような思考や論理を持っているかを考えてみる
姿勢がその一つです。
また、賛成か反対かは脇に置いて、その事柄を多様な視点から眺めて
みる姿勢も重要です。視点を切り替えることで違った風景が見えます
から、物事の本当の在り方を捉えることができます。
相手のニーズを事前に把握して、自分の話が相手にどのように聞こえる
のか、相手が自己の所属する組織にどのように説明するのか、といった
ことに配慮するのも効果があります。
こうした姿勢を持つことは、共感を獲得するための言葉使いや行動を
適切な方向に導いてくれます。
以上の内容を共感獲得力として整理しますと、次のようになります。
・理性と感性の両方に訴えるために、言葉の使い方の４つの類型を
バランスよく使う能力
・賛成の立場だけではなく、反対の立場からも考えることができる能力
・多様な視点から眺めて、本当の在り方を捉える能力
・相手の状況や状態を理解し、話がどのように聞こえ、どのような行動
につながっていくのかに配慮する能力
共感獲得のためには、これに加えて、対象とする物事に自分が情熱を
込めることが不可欠なことは言うまでもないことです。
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